マサハレル也のハレルヤ日記

趣味で小説のようなものを書いてます

忍び逢い~序~ 

亜美との出会いは些細な偶然だった

そこそこ楽しんでいたはずのコミュニティサイトでの交流もそれほど積極的になれず
一時は「自称:官能小説作家もどき」を気取って、実体験やそれに基づいた妄想小説を書いたりはしていたものの
マサハル自身そういう出会いが減った事もあり、佳き読み手であったはずのも友達やフォロワーも退会していった事で士気が下がっていたのも事実

いやそれよりも、、、恋の終わり、、、

サイトで出会い、恋愛関係に落ち、短い中で燃え上がり、あっという間に燃え尽きた事
その過程での辛い経験、相手に与えた傷、、、

そうした経験がある種のトラウマになり、同じ轍を踏ままい、そう誓い一度サイトを離れたはずだった

なのにまたここへ来ている、、、

目的はもう「出会い」ではなかった
一方で非現実的な空間における交流

誰も自分の事を知らない、その心地よさ
ある意味で仮面を被っているものの表面的な付き合いを装う必要もないし絡んでみたい相手とだけ絡めるという気軽さ

現実逃避だろうか
そういう何かを求めてまた来てしまったに違いない

だがあの頃の盛り上がりはもう感じられなかった

再び忙殺に追われる日々の中、ここもそろそろ潮時か、、、と思って何気なく徘徊していた中で目に留まったのが亜美の日記だった

インパクトあるフレーズでその時の性的な衝動などをシンプルに吐き出しただけの日記
ではあったがそれゆえに妙に気になったのだろうか

過去の日記を読み進めるにつれその時の思いをシンプルな言葉で紡ぐ彼女の屈託のない素直な性格
動物的で本能的なエロスを感じつつも下品に感じられないのはコメントの明るい返しからも感じられた

何気なくフォローし、少しづつコメントなどで絡み、そうしてある時、ふと思いつきで自分の書いた小説を披露してみた

何かを期待していたわけではない
読んでくれて何か反応があればそれを機にまた新たな小説を書くきっかけになるかもしれない
書き手は読者がいればこそであり、反応があるか無いかではモチベーションも違う
本能的な彼女が読んだらどう感じるんだろう

その時はその程度の軽い気持ちだったし反応が無くてもそれはそれで構わなかった

そうして過去の日記を読んでもらったマサハルであったが、亜美からの反応は思いのほか良かった
シンプルなコトバであったがそれで充分だった

本当ならそこで終ったのかもしれない

がそうではなかったのは他のコミュニティサイトについて書かれたものを目にしたからである



(つづく)