忍び逢い~13~
亜美に覆いかぶされたままソファでなすすべもなく耳をなぶられるマサハル
(こういうの嫌いじゃない、、、むしろ、、、好きだ)
元々、耳元で囁かれる事に対し少なからず快感を感じていたので、舐められたりするともうどうしようもなくなる
とはいえSNSで上げていた小説はほぼ「S」つまり攻める側としての立場で書いていたし、自身もドSとまではいかないもののどちらかといえば「S」と思っていたし、今までの経験ではそうであった、、、はず
なのでここまで攻められる経験はあまりなく思いもよらぬ流れに少なからず戸惑いを覚えていたのも正直なところ
(だけど、、、こういうのもたまには悪くない、、、むしろ、、、いいかも、、、いや、でもこんなはずじゃ、、、)
マサハルの中の秘めたるM性がむくむくと起き上がるのを感じ必死で抑えようとするも、亜美の口撃は次第に激しくなってきた
「こういうのされたかったんでしょ、、、マ、サ、ハ、ルさん」
確かに
SNSで自らの嗜好として久しく耳元で名前を囁かれていない事への願望を書いてはいたがまさかここで本当にそうされるなんて、、、がしかし、、、
気持ちイイ、、、
さっきまで攻める気満々で挑んでいたはずのマサハルもこうなると受け入れるしかない
快感に身もだえしながらも誰もいない二人きりの空間ゆえか
つい、素直に気持ちよさを口に出してしまうマサハル
と亜美が身体を離し笑みを浮かべたまま言った
「はい、ベッドへ行って」
亜美に導かれるままベッドへと移動するマサハル
このままベッドインか?と思いきや乱れた服を直し、膝を崩す亜美
「膝枕、するんでしょ」
そうだった、、、そもそも互いに膝枕をしてもらうという目的で会おうとしているのであった
やや拍子抜けするもまだ部屋に入ってそれほど時間も経過していない
慌てることはない
促されるまま亜美の包容力あふれる太腿にそっと頭を乗せてみる
(温かくて気持ちいい、、、)
このまま眠りにつきそうなほど安心感ある膝枕に頭を委ねているとさっきまで隆起しそうであった我が下腹部も次第におとなしくなっていくのを感じる
頭を撫でられながら、ふいに始まった亜美の彼氏との馴れ初めや旦那との話に耳を傾ける
それは、心地よさとほんの少しの居心地の悪さ
相反するものであり、悪い気分はほんの少しだけなのであるがそれはつまり
常にちらつく「彼氏」という影
わかっている上で会ったのだし仕方のない現実
恋愛対象ならまだしも今は単に興味を抱いた相手というだけの関係性
とはいえその彼氏というのは俗に言う
絶倫自慢
一度まぐわったが最後、抜かずの三連発、、、という表現はやや品がないが
そのままず~~~~~~~っと腰を振り続けられるほど
、、、らしい
(、、、俺には無理)
三十代の頃までならまだしもアラフォーの身になってからは体力もやはり落ちているし持続力も昔ほどない
そうでなくとも
これからもしかしてあるであろう亜美とのまぐわい
(きっと比べられるんだろうな、、、)
と内心思っているのはマサハル自身、テクニックも耐性も自慢できるものを持っているわけじゃないからであった
それでも、セックスはまず相手への思いがあってこそであり、大事なのはお互いの呼吸、タイミング、そしてキス、、、
自分も気持ちよくなりたいがそれ以上に相手に気持ちよくなって欲しい
そうして互いにエクスタシーに達すれば何より
そこにテクニックが不要とは言わないし、喜ばせる為のテクなら駆使すべきであるが絶倫である必要はないだろうし(相手がそれを求めているなら別だが)AVじゃあるまいしテク先行のセックスなんて心が通っていない証、、、と多少の自己弁護ありきの持論のあるマサハルであったが、そんな風にややプレッシャーを感じていた事は確かであった
まあでもそこは考えないでおこう
と頭の片隅に置きつつ膝枕はいつのまにか何故かマッサージへと移行していった
それにしても上手い、、、亜美のマッサージの技術はプロ並みであった
背中から太腿、そして足
ツボを知り尽くしたかのように絶妙な力加減で解きほぐしていくそのテクニック
「仕事を変えた方がいいって言われた」
と笑いながら言う彼女だからそのテクはホンモノなのだろう
それにしてもここまでくると先ほどの耳舐めではないが主導権を握っているのはもはや亜美の方である
もしかしてこのまま何もなく過ぎていくのだろうか
まぁそれもいいか、、、
そんな風に思っていたタイミングで亜美が切り出した
「はい、じゃあ今度は交代」
噂の”猫が求めてやまない俺の膝枕”の出番のようだ
マサハルは寝たままの姿勢で「どうぞ」と膝を差し出す
亜美もそのまま横になり膝に頭を乗せると
「あっ、なるほど、、、うん、、、確かに」
と納得したかのように感触を味わう
この姿勢で、秘部に近いところに亜美の頭がある、、、
そう意識するとどうしても、マサハルのソレが反応してしまいそうだった
しかもいつの間にか亜美の指先はまるで悪戯するかのようにソレに近いところを触れている
これは、、、もしかして?
(つづく)