マサハレル也のハレルヤ日記

趣味で小説のようなものを書いてます

忍び逢い~11~

ショッピングセンター内の一角にあるそのお店

食料品が中心ではあるが独自のブランドの商品もありお酒の種類も豊富ということもあり
平日でも早くから人の出入りが見られる

白いブラウスを纏った亜美の姿は遠目からでも目立っていた事もあり
少し遅れて到着したマサハルはすぐに彼女の姿を見つけることが出来た

さりげなく横に立つと亜美の方も気配に気づいたのかマサハルの事を見初め笑みがこぼれる

「やっぱりそうだった」

マサハルの一言に

「えっ?」

と返す亜美

「後ろ姿を見てそうじゃないかって」
「ああ、うん」

マスクをつけている二人ではあるが事前に写真を交換してあったこともあってかスムーズに初対面を済ませた
そのまま駐車場へと歩き出す

「なんだか口の中が乾いちゃって、、、緊張しているせいかな」
「私もなんかすごく汗が出て来た」

緊張感をほぐすかのように笑って会話を交わす二人

気がつけばそれほど混んでいないと思われた店内もかなりの人出であった

「意外に混んでるね」
「ここは他の場所よりも混むって有名なんだよ」
「へ~え、そうなんだ」

普段はこういった大型ショッピングモールを利用する機会の少ないマサハルにとって平日の朝の時間帯とは思えない人出が何だか落ち着かないようである

速足でモールを出てマサハルの車の方へと向かう

車に乗り込むとまだ少し緊張していたもののとりあえず目的地に向かうことにする二人

たわいもない話を交わしているとあっという間に目的地のホテルに到着した

そこそこ歴史を感じさせる風合いのラブホテルはすでに何台かの車が止まっていた

フロントで部屋を選びルームへと向かう

ホテル独特の湿気を帯びた部屋の匂いはあるが、それなりに小奇麗な内装であった

荷物を置きソファへと腰掛ける二人

並んではいるがまだ少し緊張感が残っている様子だ

マスクを外し互いを向き合うとようやく互いの表情を見ることが出来た

「さて、と」

とマサハル

「まずは、、、手をつなぐとこから始める?」

亜美の手を握ってみる

とおもむろに亜美が切り出す

「その気で来たの?」

「えっ?」

「そういう顔をしている」

「そういう顔?」

「下心ある顔」

「下心?」

「手を握るとこなんかも」


笑いながらもまるで見透かしているかのように亜美にそう言われたマサハルは少し動揺したのか思わず手を離し

「いや、そんなやる気満々って事はないよ」

と慌てて言い訳する

「そう?」

「だってどうなるかわからないし、想像してなかったから」

「でもそのつもりはあったんでしょ」

「まぁ、、、そりゃ、、、少しは」

「どれくらい?」

「、、、ハーフ&ハーフ、、、かな」

「ふ~ん」

「君は?どういうつもりで来たの」

「やられるのかなって」

あっけらかんと言い放つ亜美に迷いは見えなかった

確かにマサハルの中では下心がゼロというわけじゃなかった
が会ってみないとわからないし何しろ最初からそのつもりで会おうとした二人ではない
だからこそハーフ&ハーフだった、という事を説明するマサハルに亜美も少しは納得した様子


とはいえソファの二人の距離感はすでに密着状態である

さらに身体近づけふいに亜美の髪に触れるマサハル

とここで亜美の口から吐息のようなものが漏れた

「ん、、、」

それに反応したのかマサハルの指はさらに亜美の耳元へ伸ばし、、、耳たぶに触れた


「あっ、、、」

さっきまでとまるで違う亜美の反応

そのまま耳たぶに顔を近づけると唇で愛撫するマサハル

「ああっ、、、、!」

これがマサハルの欲望に火をつけることになった

 

 

(つづく)