マサハレル也のハレルヤ日記

趣味で小説のようなものを書いてます

忍び逢い~2~ 

そのコミュニティサイトはかつてマサハル自身も参加していた事もあった

そこでは「フォロワー」や「友達」というカテゴリーではなく「マイ〇〇」という(言ってみれば友達なのだが)形での繋がりだったが
個人的なメッセージのやりとりもしやすく
今でこそログインすることはなくなったが趣味や嗜好で繋がりやすいこともあってそこそこの出会いが楽しめたものだ

勿論、中には男と女の関係にまで発展した相手もいて、そういう意味では「出会い系」の走りだったのかもしれない

そんなコミュニティサイトの名前を久しぶりに目にしたマサハル

(なんだか懐かしいな、、、今もあったんだ)

甘酸っぱいような、それでいて切ないような、、、そんな想いを抱きながら久しぶりにログインしてみようと思い立ち
亜美のハンドルネームであろうその「名前」を検索してみることにした

何年振りだろう、、、ここで出会った幾人かの女性が頭に浮かぶ

東京まで会いに行った彼女

遠距離恋愛に発展した彼女

一度きりの快楽を共にした彼女

結局会えなかった彼女

etc etc、、、

今も元気だろうか
俺の事はもう覚えていないんだろうか
幸せになっているんだろうか

いや、今はそんなことはどうでもいい(どうでもよくないこともあるが)

思い出に浸りそうになるのを必死で振り払うとマサハルはその「名前」を打ち込んでみた


すると、、、目に入ったのは後ろ姿の髪型

今のコミュニティサイトでたまに自撮りした色っぽい姿をアップした亜美ではあるがそれらは部分的であり
妄想を掻き立てるには程よいものであったが、後ろ姿とはいえ今までになくリアルな写真

そしてもう一枚

ハロウィーンの仮装だろうか、仮面舞踏会でつけるようなマスクの写真も、、、

官能的な肉厚の唇
そして見つめられたらドキドキしちゃいそうな大きな瞳、、、

セクシーな亜美の実像(?)に触れ、背徳感に襲われそうになるマサハル

それまではどんな女性かわからず(何しろアバターは裸同然といってもいいくらいでコーディネートしてあげたいと何度思ったことか)
ぼんやりとしたイメージしか抱いていなかったのである、それが、、、

正直いって想像よりもキュートな印象に何故だか心臓の高鳴りが止まらなかった

その他の情報はまるでないというのに、、、

もっと彼女の事を知りたい、もっと亜美の事を知ってみたい

ここはもっと開けた場所だったはずなのにこれ以外の事がわからないだなんて、、、ああっ


だが、あそこではない、ここで少なからずだが彼女との繋がりを持てたこと

それだけで気のせいか距離感が縮まったような、そんな錯覚さえ覚えたマサハル

何よりも気軽にメッセージのやりとりが出来そうな事が楽しい

そう、、、亜美とのやりとりは何だか些細なことでも楽しいのだ

勿論、既婚者の彼女であはるが亜美には彼氏がいてその彼氏とは相思相愛
たとえ一時的でも誰かが入るような隙などないし、マサハル自身もそれは理解していたし今はそれを望むところではない

ただ、、、何故か惹かれるものはあったのだろう
亜美にとっては話し相手の一人でしかないだろうし、事実、小説を書く作家としてのマサハルには興味があるらしいが男性としてのマサハル自身に対してはそれほど興味がなさそうというか、、、まぁそれも致し方ない

とはいえ個人的なやりとりを交わすのは元々好きだし(ある意味、スケベなんだろう、と自負している)少なからず心を開いて話をしてくれる亜美に対しマサハルもココロを許す部分はあった

その過程でマサハル自身も数年前に味わった例の恋愛話について懺悔というか、ようやく小説としてカタチにする決心までしたほどである

それに対して唯一の読者として読んでくれた亜美

(、、、会ってみたい、何がどうってわけじゃないがリアルな彼女に会ってみたい)

次第にそう思うようになったのは自然な流れなのかもしれない、だが

目的もなく会いたいと思った事はおうとしたことはなかったマサハル

それでももしタイミングが合えば会ってみたい

亜美の屈託のない笑顔を見て、叶うならば膝をお借りしたい

そんな事を思い描きながらダメもとで打診してみた

すると、、、彼女の方からも会ってもいい、と

膝くらいならどうぞ、という事と「前に付き合った女性が”愛猫が求めてやまないマサハル膝”に顔をスリスリして喜んだ?」的なエピソードを聞いて噂の膝枕に興味を抱いた事もあり、話をしてみたいとの事であった

(以心伝心?いや、エロは抜きだし話すだけだ、何より興味本位もあるのだろう、色めき立つのは早いぞマサハル)

握り拳で思わず膝を叩いて自制するマサハル

互いに多忙なタイミングではあったが何とか日程を擦り合わせて会おうという話にまでトントン拍子で進んだ、、、、のだが



(つづく)