忍び逢い~6~
いつものように亜美とのやりとりをしようとコミュニティサイトを開くマサハル
と、何気ないメッセージの後に続くように、フォトファイルの暗号パスが記されていた
(フォト?、、、確か前に見たのはもう無かったような、、、)
もうひとつのコミュニティサイトでたまに気まぐれでセクシーな写真をアップする事があった亜美
グラマラスな胸元をチラッと写すようなショットなど、ギリギリの線で程よいエロチシズムを感じさせるものも多かったが
気がつくと写真だけ消えていることも稀ではなく
見逃した時などは大いに後悔したものだった
そんな時にそっと見せてくれたのがこのサイトのフォトファイル
自分にだけ、、、ではないのだが何だか秘密を覗き見しているような愉しみもあり
それほど露出が多くなくともラッキーだと感じたものだ
そういえば最初に会いましょうと決めた頃に初めて彼女の素顔、、、素顔といってもすっぴんという意味ではなく
今までベールに包まれていたお顔の写真を見た時には、心臓がバクバクするのを感じたものだ
吸い込まれそうなほどキュートでクリっとした瞳、、、
情に厚そうで顔を寄せたらキスしてしまいそうなほど肉感的な唇、、、
彼氏に向けた笑顔だったのだろうか
こちらに投げ返る笑みを見ているととてつもなく抱きしめたくなりそうな衝動を抑えきれない
(勿論、近くに居ないので抱きしめる事は出来ないが)
グラマラスな印象が先行しがちな亜美であったがマサハルにとってそれは大事な部分ではなかった
何よりも顔が好みだったのである
それが、、、より会ってみたいと思う引き金になったのは否めない
会ってみたところで何が起きるとかいうわけじゃなくとも、だ
そんな亜美のフォトファイルはその写真以降、何もなかったはず、、、なのに?
暗号パスを聞いたマサハルは色めき立つのをこらえながら仕事中にも関わらずファイルをクリックした
するとそこに、、、
心臓の高鳴りとともに思わず周りに人が居ないか確認する
(こ、これは、、、)
最初に現れたのは寝ころびながら微笑む亜美の写真
彼氏に撮ってもらったのだろうか、裸同然、、、いや、これは裸に違いないと思しきもの
胸を寄せグラマーさが際立っているが何よりその瞳にまたもやられそうになる
(まだ、、、ある?のか)
逸る気持ちで次の写真を見る、、、とそれは、、、!!
そこから先は今まで見たことのない彼女の一面だった
事後なのだろうか、、、と妄想させるに十分なエロチックで生々しい裸体の数々
オシリストでもあるマサハルが好きな角度の写真もあり、露出度は高いものの決して下品ではない
まるでミロのヴィーナスのような亜美の姿にドキドキするのを抑えられなくなったマサハルは思わず開いていたノートパソコンを折りたたんでしまったほどだ
亜美の思わぬサプライズ(?)に驚きつつもどうして今、、、これを?
という謎が脳裏に浮かぶマサハル
しばらく困惑していたもののそういえば以前、彼女がこう言った事があった
「私のことも何か書いて欲しい」
マサハルが書いていた官能小説の一番の読者でもある亜美
(もしかして、、、そういうことなのか?)
彼女とはまだリアルに会ったわけではないし、正直、彼女をイメージして何かを書くにはまだまだ情報も何もかも足りなかった
どんなキスが好きなのか
どんなところを触れると感じるのか
感じるとどんな声を出すのか
そしてどんな風に男のモノを愛してくれるのか
まだまだ知りたい事は山ほどある
あるが、、妄想の導火線に火をつけるには十分だ
少なくともスタートラインには立てそうだった
そうしてマサハルの脳内で
亜美という人物が膨らみ始めた
(つづく)