マサハレル也のハレルヤ日記

趣味で小説のようなものを書いてます

忍び逢い~5~

亜美の気持ちに変化が起きたのは最近になってであった

それまでは「彼氏」という代えがたい存在、、、
特に家庭に問題があったわけではないが性に対して淡泊過ぎる夫に対しては不満がありコミュニティサイトを介して出会った「彼氏」は
亜美のそういった不満を打ち消す以上に心も身体も満たしてくれる特別な存在となっていた

(身体の相性がこんなにも合う人がいるなんて、、、)

「彼氏」との逢瀬は週1~2度に及び
会うたびに亜美の身体を貫いたまま何時間でもセックスをし続けるタフな彼氏に対し文字通り「無我夢中」となっていた

が、そんな二人の蜜月もある時突然、揺らぐことになった

それは独身と思われた彼氏に「事実婚」の妻が居た事

勿論、既婚者である亜美にとってそれを非難する筋合いはないのかもしれない
だけど彼氏からそういった事を隠されていたという事実
たとえそれが「事実婚」であったとしても後味が悪いのは正直な気持ちだった

それからも逢瀬を重ねる二人の関係性は変わらないように思えた

会えば以前と変わりなく互いを求め、時間の許す限り愛し合う、、、ただ、、、

亜美の心の中には彼氏のパートナーという存在が澱のように残っているようなそんな瞬間も時折訪れ
以前なら行為の後の腕枕にほんのひと時の幸せを感じた瞬間もあったはずなのに今は、どこか委ねきれない何かを感じたりしていた

ただ、この関係は決して成就するものではない、という事も理解はしていた
母親として子育てをし、仕事もこなす
そんな当たり前の毎日の中、それでも女としてまだまだ求められたい

元々、セックスには貪欲で、ココロだけでなく身体ごと求められたい
そんな亜美であったのだから今の夫との関係性は物足りないのは明らかである

以前は、無節操とまではいわないもののどこか刹那的に相手を探し、関係を結び、長続きしないまままた次へ、と
そんな行為を繰り返した事もある

だが今の彼氏は今までと違った
だからこそそれがたとえ成就できない相手であっても求め、求められたかった

そう、、、

彼女もまたマサハルと同じようにある種の現実逃避、そして癒しの時間を欲していたのである


がしかし、、、

彼氏との関係性が少しづつ変化しているような気がする今、亜美の心の中にも揺らぐものがあった

そんな中でマサハルがサイトに戻ってきたこと

これは何かのタイミングなんだろうか、、、

前に一度会おう、と思った時は本当に興味本位というか
あのような官能小説を書く人物がどういう人なのかという興味
自分の中で何となくイメージしている人とどれほどギャップがあるのかという興味

それが先行していたのでそれ以上の関係に、つまり成り行きでセックスをしてしまう
そんな事は想像もしていなかったし、そうなる事への抵抗感もあったのは事実

けれど今は自分の中に無意識のうちに作っていた壁が低くなったのだろうか

会う事に対し、そしてもしかしたら、雰囲気でそうなってしまうかもしれないことへの不安や抵抗感

それが薄まっている事に気付いていた

(今なら、、、会ってもいいかも)


ふいにそんな事が脳裏をよぎった亜美は思わぬ行動に走るのであった


(つづく)